『焼き芋とドーナッツー日米シスターフッド交流秘史』(KADOKAWA)湯澤規子著
11月〜全国地方紙の書評欄をご覧ください。

津田塾大学創立者の津田梅子は6歳から米国に11年間留学して帰国した際、女性の社会的地位があまりにも低い日本の現実に戸惑を覚えます。留学仲間で日本人女性初の学士号を得た山川捨松の寄宿先の娘で英語教師として来日したアリス・ベーコンの共感を得た梅子は1889(明治22)年、24歳で再び渡米してウッズホール海洋生物学研究所に学ぶことになります。「良妻賢母」の価値観に縛られた祖国とは異なり、そこには科学分野に挑む多くの同性の仲間がいた―。
本書が世紀を超えてよみがえらせた女性たちの勇姿は、今なおジェンダーギャップを抱える私たちの日常を激しく揺さぶります。