2024年09月23日

芦屋市平和事業
大河朗読講演『流転の子 最後の皇女・愛新覚羅嫮生』
芦屋ルナ・ホール

令和6年度芦屋市の平和事業として、大河朗読講演『流転の子 最後の皇女・愛新覚羅嫮生ー語り継ぐ歴史−愛と再生の物語を今に問う』を芦屋ルナ・ホールで行いました。日本敗戦から79年目の酷暑の夏、足をお運びくださった皆様に感謝致します。
RENAISSANCE CLASSICS芦屋ルナ・ホール(芦屋市民会館大ホール収容700人)は阪神間の文化拠点として知られています。



国内外のトップアーティストによる多様な芸術表現(音楽、映像、建築、演劇等)を披露するホールです。
私は初めて講演したのですが、半円形に広がる座席、音響、設備の素晴らしさ、客席の皆様のお顔や表情までステージから感じ取ることができ、客席との一体感、熱気が伝わる素敵なホールです。



父は「ラストエンペラー」愛新覚羅溥儀 の実弟溥傑。母は天皇家と縁戚にあたる侯爵家令嬢嵯峨浩。敗戦後わずか5歳で動乱の大陸を母と共に流転し、日本と中国、激動の歴史に引き裂かれてもなお愛を貫いた一族の真実の物語。

前半は歴史解説講演。
後半は歴史的一族に生を受け、激動の日中間を生きた女性の半生を貴重な秘蔵写真の数々をスクリーン公開し、著者の朗読と音響で綴る大河朗読講演です。



ソ連軍の満州への侵攻、皇帝一族の都落ち、アヘンに侵された皇后を護り、母浩と娘嫮生の凄絶な流浪が始まる―。どんなに時代が流れようと、政治体制が違おうと、真心だけが人をつなぐと信じた人々の愛と再生の物語。壮大な歴史絵巻をお伝えします。






満場の温かい拍手が今も胸に残ります。有難うございました。
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2024年07月01日

2024年7月31日(水)
大河朗読講演『流転の子 最後の皇女・愛新覚羅嫮生』
芦屋ルナ・ホール 14:00〜15:30

令和6年度芦屋市の平和事業として、芦屋ルナホールで大河朗読講演『流転の子 最後の皇女・愛新覚羅嫮生』を行ないます。

父は「ラストエンペラー」愛新覚羅溥儀 の実弟溥傑。母は天皇家と縁戚にあたる侯爵家令嬢嵯峨浩。敗戦後わずか5歳で動乱の大陸を母と共に流転し、日本と中国、激動の歴史に引き裂かれてもなお愛を貫いた一族の真実の物語。
歴史的一族に生を受け、激動の日中間を生きた女性の半生を貴重な秘蔵写真の数々をスクリーン公開し、著者の朗読と音響で綴る大河朗読講演です。


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前半は歴史解説講演。わずか2歳で清朝最後の皇帝に即位した愛新覚羅溥儀は、後に日本が中国東北部に建国した傀儡国家「満州国」皇帝となる。日満一体の証として弟溥傑と嵯峨浩の婚儀が進められるのだが―。

後半は朗読講演。ソ連軍の満州への侵攻、皇帝一族の都落ち、アヘンに侵された皇后を護り、母浩と娘嫮生の凄絶な流浪が始まる―。どんなに時代が流れようと、政治体制が違おうと、真心だけが人をつなぐと信じた人々の愛と再生の物語。壮大な歴史絵巻をお伝えします。

■チケットの購入先
 ・市民センター事務所:ホール事業担当窓口(河内厚郎事務所)

  受付時間:午前9時〜午後5時30分
 ・芦屋市役所売店:南館地下1階
  受付時間:平日の午前9時30分〜午後5時
 ・ローソンチケット(Lコード51998)
■問い合わせ
 芦屋市公民館 0797-35-0700


●全席自由席。前売り500円 当日(残席があれば)1000円
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2024年03月19日

2024年3月19日〜
『週刊現代』グラビア「愛新覚羅浩―日本と中国を結んだ流転の王妃―」電子版掲載

『週刊現代』(講談社・2月17日号)のグラビアに「愛新覚羅浩―日本と中国を結んだ流転の王妃―」と題する貴重な歴史的写真が一挙8ページに亘り掲載されました。
記事は大きな反響を呼び、3月19日より電子版で掲載されることになりました。未公開写真も含め、極めて貴重なものです。
ぜひ、ご覧ください。

URL
https://gendai.media/articles/-/124139

あまりに美しい…流転の王妃・愛新覚羅浩とは何者か?その波乱に富んだ人生の全貌

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愛新覚羅浩(あいしんかくら・ひろ)は、20世紀のはじめに日本の名家に生まれ、やがて満州皇帝の弟・溥傑と結婚、満州に渡った。敗戦の混乱期に大陸を流浪し、筆舌に尽くしがたい苦労をしたことから「流転の王妃」と呼ばれることもある。彼女の誕生日は1914年の3月16日。生誕110年を迎えた。その足跡をたどる。(『週刊現代』電子版より)


インタビューを受ける共に、歴史写真など資料の全面的な協力をしました。電子版は写真の点数は、記事の容量が大きくなり過ぎてしまうため、雑誌版よりも掲載写真が少し少なくなっています。

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満州にソ連軍が侵攻する直前の竹田宮光子妃(前列中央)らとの「最後の茶会」。後列左から浩、皇帝溥儀の三妹、二妹。隣でソファから顔を出しているのが二女嫮生(写真提供・本岡)。
この時、日ソ中立条約失効まで、一年近くあったため、ソ連軍が国境を越えて満州の地になだれ込むことは予想していなかった。これを一方的に破棄して国境を越えて侵攻してきた―。
以下、拙著『流転の子-最後の皇女・愛新覚羅嫮生』より、ソ連侵攻の部分を一部抜粋。

【ソ連が攻めてくる】

「それは地獄絵でございましたから……」。
嫮生は瓦解寸前の「満州国」の様子をこう話し始めたが、言葉はすぐに途切れた。

一九四五年八月九日午前零時。ソ連軍は「日ソ不可侵条約」の一年後の失効を待たず、これを一方的に放棄し、国境を越え満州に侵攻した。幼い嫮生はまだ安らかな眠りの中にいた。
東満、北満、西部国境線を突破して満洲の野になだれ込んだソ連軍は、地上八〇個師団、戦車・機械化四〇個旅団、飛行三二個師団を含む兵員一七四万人。火砲約三万門、戦車・自走砲約五二五〇輌、飛行機約五一七一機の大兵団を構成していた。対する関東軍の実質戦力は、訓練や装備も整わず八個師団にも満たなかった。ソ連軍の兵力はその数、関東軍の戦闘可能保有数の二〇倍以上。絶対的に兵員が不足しており、国境付近の警備は極めて手薄で東部戦線は激しい雨にさらされ、次々陣地は壊滅していったが、北部のハイラルや呉孫などでは守備隊が多大な犠牲を出しながら戦線を支え死闘を繰り広げていた。

午前一時、関東軍総司令部に第一報が入り、まもなくソ連機による新京爆撃が始まった。満州国の首都に初めての空襲警報が鳴り響いた。自宅で眠りに入っていた溥傑は直ちに軍服に身を固め、冷静に事態を見極めようと窓から空を見上げていた。
「空襲警報でございましょうか」。浩が夫の背に問いかけた時、耳をつんざく爆裂音がとどろき、宮内府の南方に闇夜を焦がす火柱が上がった。溥傑はすぐさまラジオのスイッチをひねった。
「ハルピン方面より敵機は吉林方面に向け進攻中なり。帝京付近に爆弾を投下した模様なり……」
その冷静なアナウンスがむしろ、事の重大さを語るようだった。敵機は大連ではなくハルビンから襲来している。進攻はアメリカではなく、北のソ連なのか。
「嫮生を連れて、早く防空壕に避難しなさい。私はこれから宮廷にいく。くれぐれも留守中、気をつけるように」
溥傑はその言葉を残して、飛び出していった。嫮生は眠い目を擦りながら母の手に引かれ、防空頭巾を被り初めて防空壕で一夜を明かした。

「母はまんじりともせず、わたくしを力いっぱい抱き締めていたようでございます。その腕の強さだけがかすかに記憶に残っております」


流転の子
『流転の子 最後の皇女・愛新覚羅嫮生』
定価 2,420円(税込)/中央公論新社/2011年8月刊




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2024年02月09日

『週刊現代』グラビア
「愛新覚羅浩―日本と中国を結んだ流転の王妃―」掲載
 2024年2月9日(金)発売(2月17日号 ) 講談社

 2月9日(金)発売の『週刊現代』のグラビアに「愛新覚羅浩―日本と中国を結んだ流転の王妃―」と題する貴重な歴史的写真が一挙8ページに亘り掲載されています。未公開写真も含め、極めて貴重なものです。(2月17日号講談社)。

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 今年に入ってまもなく、『週刊現代』編集部から「戦争という大きな渦に巻き込まれ、我々には想像できない体験をされた愛新覚羅浩さんの生涯にスポットを当て、写真と共に振り返りながら、戦争を二度と起こさないということを伝えていく記事にしたいと思っております」という私への取材依頼があり、インタビューを受ける共に、歴史写真など資料の全面的な協力をしました。

 天皇家と縁戚にある日本の侯爵家令嬢として生を享け、「ラストエンペラー」愛新覚羅溥儀の実弟である溥傑と軍部の強い意向で政略結婚させられた愛新覚羅浩(嵯峨浩)でしたが、二人は終生分かちがたい愛情で結ばれていました。

 結婚し、わずか5歳の二女嫮生の手を引いて、動乱の大陸をさすらい、命からがら引き揚げてくるも―。

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 これまで公表されていなかった写真も含め、皇帝一族となった浩の盛装、平安時代から伝わる伝統的な婚礼装束、新婚時代の溥傑と浩の初々しい姿―。

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 満州崩壊、敗戦で中国と日本に離れ離れになった浩が溥傑と16年ぶりに再会するため、羽田空港を飛び立つ姿。中国での周恩来首相と溥儀ら一族との写真など貴重な写真の数々です。

 激動の日中間を生きた女性の生涯を『週刊現代』グラビアでぜひご覧ください。


流転の子
『流転の子 最後の皇女・愛新覚羅嫮生』
定価 2,420円(税込)/中央公論新社/2011年8月刊


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2023年11月12日

2023年11月上旬
『焼き芋とドーナッツ』(KADOKAWA)湯澤規子著
時事通信社より書評配信。

カーリング女子日本代表の選手の「もぐもぐタイム」がアスリートの絆を見せてくれたように、女性たちを結びつける焼き芋、ドーナツなど「おやつ」に象徴される日常茶飯に歴史地理学者の著者は着目します。歴史学が見過ごしてきた生活空間で「わたし」を模索した女性たちの人生、奇跡の連鎖を追う人間交流史です。
『焼き芋とドーナッツー日米シスターフッド交流秘史』(KADOKAWA)湯澤規子著
11月〜全国地方紙の書評欄をご覧ください。

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津田塾大学創立者の津田梅子は6歳から米国に11年間留学して帰国した際、女性の社会的地位があまりにも低い日本の現実に戸惑を覚えます。留学仲間で日本人女性初の学士号を得た山川捨松の寄宿先の娘で英語教師として来日したアリス・ベーコンの共感を得た梅子は1889(明治22)年、24歳で再び渡米してウッズホール海洋生物学研究所に学ぶことになります。「良妻賢母」の価値観に縛られた祖国とは異なり、そこには科学分野に挑む多くの同性の仲間がいた―。
本書が世紀を超えてよみがえらせた女性たちの勇姿は、今なおジェンダーギャップを抱える私たちの日常を激しく揺さぶります。
posted by noriko-motooka at 19:45| コラム

2023年03月10日

2023年3月10日 
『香川にモスクができるまで』(晶文社)岡内大三著
時事通信社より書評配信。

『香川にモスクができるまで』(晶文社)岡内大三著
3月〜全国地方紙の書評欄をご覧ください。

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 米国の「9・11」同時多発テロやIS(イスラム国)などの残虐行為により、イスラム教徒が「怖い」「非文明的」などと偏見にさらされている。在日ムスリムの状況はどうなのか。筆者は香川県のインドネシア人たちの「モスク建立計画」を耳にし、現地に向かう。
 「よう来てくれました。私フィカルね。いまからモスクの打ち合わせするけんね」。流ちょうな讃岐弁で出迎えた中心人物で溶接作業員の飾らぬ人柄にひかれ、半ば伴走しながら取材が進みます。
(中略)イスラム理解にとどまらず、少子高齢化でますます労働力を外国人に依存しながら、疎外や孤立、欠落感を生んでいる日本社会の脆弱さをも浮き彫りにする。
(配信記事本文より抜粋)
圧倒的なコミュニティーの力と互助システムでモスク建立の夢を成就させた「奇跡」の物語です。
posted by noriko-motooka at 00:00| コラム

2023年01月01日

2023年 新春のご挨拶


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南アフリカ クルーガー国立公園(世界有数の鳥獣保護区)



 謹んで新春のご挨拶を申し上げます。  
    
 遥かな苦しい作業も漸く終わりが見えてきました。戦禍収まらぬ時代に、「祈り」と「救済」を込めた作品に仕上げるまで、まだもう少し時間が必要です。長期にわたる取材にご協力頂きました皆様には、完成までお見守り下さいますようにお願い致します。遠くの大切な人の平安を願い、全てのいのちに深い敬意を込めて―。
 皆様にとって新しい年が良い年になりますよう、お祈り申し上げます。
2023年 元旦   
本岡 典子   
posted by noriko-motooka at 16:39| コラム

2022年10月02日

杉並区立郷土博物館
特別展 『激動の昭和戦前史展』「愛新覚羅溥傑と嵯峨浩」ほか政略結婚への吐露した書簡など展示

2018年秋、杉並区郷土博物館で特別展『愛新覚羅浩展』― ラストエンペラーの実弟に嫁いだ日本人女性の愛と苦悩 ―が開かれ、6000人を超える方々が会場に足を運んで下さいました。
あれから四年。今回は杉並区の区制施行90周年を記念して、特別展『杉並激動の昭和戦前史展』が開催されています。内容は杉並ゆかりの三人にまつわる歴史展示です。

「2.26事件と渡邉錠太郎」「荻外荘と近衞文麿」「愛新覚羅溥傑と嵯峨浩」に関連する資料の展示を通して、杉並区の激動の昭和戦前史を辿ります。

満州国皇帝溥儀の実弟溥傑に嫁ぐことが決まった侯爵家令嬢嵯峨浩。当時、祖父に当たる嵯峨公勝侯爵は杉並区大宮に邸宅(現郷土博物館敷地を含む)を持っていました。ここから、浩は結婚式場へ向かいました。
おすべらかしに紅色の袿(うちぎ)、緋(ひ)の袴を着けた嵯峨浩を乗せた車列は、九段会館まで14キロの道のりをゆっくりと進み、沿道には“皇弟妃”となる彼女のパレードを一目見ようと、人々が押し寄せ日満の小旗が波打ちました―。しかし、満州に渡った彼女を待っていた現実は予想だにしない厳しいものでした……。

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杉並区立郷土博物館提供


前回の展覧会で初公開され話題となった書簡、突然の政略結婚への真情を吐露する手紙の数々が展示されています。どれも読みごたえのある内容です。

詳しくは

区制施行90周年記念特別展「杉並激動の昭和戦前史展」(郷土博物館)|杉並区公式ホームページ (city.suginami.tokyo.jp)

会 期
2022年9月17日(金)〜2022年10月30日(日)
会 場
杉並区立郷土博物館
posted by noriko-motooka at 16:59| コラム

2022年09月25日

『ザ・ナイン ナチスと闘った9人の女たち』(河出書房新社) 時事通信社より書評配信しました。

『ザ・ナイン ナチスと闘った9人の女たち』(グウェン・ストラウス著、笹山裕子訳(河出書房新社)を時事通信社より書評配信しました。
9月下旬〜10月上旬 全国地方紙の書評欄をご覧ください。

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ナチス占領下のフランスで諜報活動や武器運搬を担うレジスタンス活動に身を投じ、強制収容所に送られた二十代の女性九人が移送中に決死の脱出を試みた。強固な意志に結ばれた友情とユーモアで生還する群像劇さながらのノンフィクションである。
(中略)「わたしはまだこの世に生きた痕跡を残せていない。今諦めたら、何も残らないじゃない」。九人は1945年4月15日、ナチス親衛隊が強いた「死の行進」から逃走し、戦火を潜り抜けて前線を突破する。若き生命力ゆえの快挙だった。(後略)』(配信記事本文より抜粋)

若き彼女たちの決死の脱出行は、史実を追う物書きとしての私への励ましでもありました。
posted by noriko-motooka at 00:00| コラム

2021年01月01日

2021年 新春のご挨拶


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ケニア・マサイマラ国立保護区 マラ川を渡る直前のヌーの群れ


 謹んで新春のご挨拶を申し上げます。


 国境を自由に往来し、当たり前のように会いたい人会える日常が、どんなに得難く、眩しい日々であったことか。人のいのちが斯くも儚いものであることを思い知らされる一年でした。遠くの大切な人の平安を願い、全てのいのちに深い敬意を込めて―。
 あなた様にとって新しい年が良い年になりますよう、お祈り申し上げます。今年もよろしくお付き合い下さいませ。
2021年 元旦
posted by noriko-motooka at 00:00| コラム